こんにちは、サステナブル・ラボ CEOの平瀬です。
こちらのブログでも紹介していますが、先日、オフィスを移転しました。フルリモート勤務がメインの弊社ですが、この1年で新しいメンバーにも随分加わってもらえたので、より良いオフィス環境のなか対面で交流できる機会も増やすことができればと思っています。また、私事ですが、先日誕生日を迎えまして、メンバーが色紙を作ってお祝いしてくれました。年齢を重ねると誕生日を祝われる機会がなかなか少なくなってきますが、「おめでとう!」と言われるのはやはり何歳になっても嬉しいものですね。オフィス移転や誕生日という節目で、これまでの人生を俯瞰しつつ、この先の人生への決意を新たにした夏でした。ますますサステナブル・ラボの目指す社会の実現に向けてアクセルを踏んでいきたいと思います。
「強さ」と「優しさ」に至るまでの道のり
かねてより、私は「強さ」と「優しさ」を兼ね備えた企業が良い企業だという考えを発信しています。この考えをもった背景について、以前のブログ「資本主義にドロップキック〜呪いを解き放て〜」では、祖母と小説からの影響について少しふれました。今回は、私が起業家として人生を歩み出してから、紆余曲折を経て「強さ」と「優しさ」の両方を同時に追い求めるに至った個人的な話を中心に書いていきたいと思います。
「企業価値と社会価値」「経済合理性と社会合理性」。言い方は違えど、「強さ」と「優しさ」という観点の話は巷にも多様に存在しています。昨今「優しさ」軸が社会でも急速に注目を浴びていますが、もちろん「優しさ」だけではビジネスは成り立ちません。ビジネスを遂行するうえで、「強さ」と「優しさ」のあり方をどう整理し、どういう戦略で実現していくのかは人それぞれで、もちろんそこには唯一無二の正解はありません。正解がないからこそ、ここに悩む経営者の方も多いのではないでしょうか。
第一線から退いた後に巨万の富を慈善団体等にベットしているマイクロソフト創業者のビル・ゲイツは、まずは強くなることを極め、そこから優しい方向にシフトしていく考え方の人なのではないかと私は解釈しています。利益創出(強さ)と人類救済(優しさ)を、それぞれ別のものとして捉え、順序立てて実現していっているのではないかと思います。一方でテスラの創業者であるイーロン・マスクは、優しい存在はみんなから支持されるという考え方を持ち、そもそも優しくあるべき、という整理をしているように見えます。あくまで個人的な見解ですが、同時代の著名な起業家をふたりみても、整理の仕方が随分異なるように見えます。
さて、今では「強さ」と「優しさ」の両方を最初から求める私ですが、実は起業を始めた当初は、「強さ」つまりお金儲けで強くなることにまずは集中すべきで、「優しさ」は不要だという考えを持っており、その考えに基づきビジネスを遂行していた時期がありました。
そこから今の考えに至る道のりは、決して穏やかではありませんでした。挫折、無力感、敗北感、、、さまざまな感情と経験から、今の自分が成り立っています。
以前にもふれましたが、20歳頃から学生起業を始めてしばらく経った時、それなりにうまくできている感覚がある一方で、あくまでも「それなり」で中途半端だなという思いに苛まれました。起業の世界に身をおくなかで、圧倒的に成功している人たちが強くなることに全身全霊をかけていることを目の当たりにしました。だからこそ大きな成功を収めている。純粋にすごいなと思うと同時に、それを見れば見るほど、自分はその領域には到底到達できないという無力感のようなものを感じました。
また、自分のように中途半端な気持ちでこの世界にいるのは、本気でやっている人たちに対して失礼だという思いもありました。やりたいことを実現するための手段・準備としてまずは強くなることに集中しようとしていた自分のやり方が、自分には合っていなかったのかもしれないとも思いました。
そうするうちに、同世代のなかでも大きく成功している人たちが出始めました。同世代の起業家が大きなインパクトを出していたり、官僚になった知人が日本を変えようと必死に活躍している。そんななか、自分のやっていることが凄くちっぽけに見えたんです。
20代前半の頃は、いくらでも夢を描き語ることができ、すべてを手に入れられるという幻想を抱いていましたが、20代も後半になると、いろんな現実が見えるにつれ、それが幻想だったと受け入れざるを得なくなります。
TIME IS LIFE
「Time is life」
自分の命を何に使うべきか。そんなことを考え直した結果、自分自身が命をかける価値を心から感じられるものに命を使うべきでは、と思うようになりました。
ちょうど同時期に、人生は自分が思っている以上に短い、と気づかされる事象も重なりました。同世代で一部が大きく活躍している一方で、起業家仲間の間では、長年の無理が祟り身体を壊して急逝してしまう人がいたり、家庭が崩壊している人も多く出ていました。実際自分自身も、家庭崩壊状態で数年を過ごしていました(紆余曲折を経て、今は仲良しです!)。みんな、健康や家庭、その他いろいろなものを犠牲にしながら生きている。10年後、いや、明日、自分が生きている保証はどこにもない。そんなことを感じました。
また、事業をゼロから作ってみるなかで、不確実なことが多く、想定外がたくさん起こることも痛感し、一定のレベルに到達するには5年〜10年かかるという感覚もありました。5年〜10年準備している間に人生が終わってしまうかもしれない。
そんな気づきから、私は、自身の起業において「強さ」と「優しさ」の両方を最初から追求すること、そして「強さ」と「優しさ」の両方が評価される社会を作ること、そのためのデータインフラを作ることに自分の命を使おうと決意し今に至る、というわけです。試合に出るための練習をしている間に人生が終わるのは悲しいですから。
漫画のヒーローへ憧れを持つ私ですが、自分自身はヒーローでもなんでもなく、ただのひとりの人間です。すべてが描いたようにうまくいくわけでは全くなく、たくさん挫折も経験し、悩み苦しみ、今に至っています。ただ、自分の命を何に使うのかを明確にし、それにそった道を歩んでいる点から、今はTimeとLifeが一致している感覚があります。
このブログを読んでくださっている皆さんは、自分の貴重な時間を何のために使っているでしょうか。何を考え、どこに向かうために日々の仕事に注力しているでしょうか。いつか時がきたらやりたい、と思っていることはありませんか?人生は思っている以上にあっという間に過ぎ去っていきます。一度、自分の貴重な時間を使う価値のあるものと向き合ってみる、このブログがそんなきっかけになれば嬉しいです。
(貴重な時間を使う価値あるものが、サステナブル・ラボと重なった方は、ぜひ今すぐ一歩を踏み出してみてください…!)
今回もお読みいただきありがとうございました!
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