資本主義にドロップキック~呪いを解き放て~(後編)

こんにちは、サステナブル・ラボ株式会社CEOの平瀬です。

突然ですが、みなさんは「鬼滅の刃」をお好きでしょうか。主人公は鬼にされてしまった妹を人間に戻すべく、また鬼から多くの人たちを救うべく、自分の限界をいくつも超えながら自分より強い鬼に立ち向かっていく。ほかの誰かを助けるという目的をもつと、人は本来の自分以上の力を発揮できるようになるんだと感じます。鬼から人を守るために突き進む主人公の姿に、つい胸が熱くなります。

「資本主義にドロップキック」
この考えの背景について、前回はそもそもの原理原則に帰ろう、という話を書きました(まだお読みでない方は、こちらからぜひご笑覧ください)。今回は、もうひとつの背景、私自身のこれまでの経験から形成された想いについて書いていきます。

私は幼い頃から漫画のヒーローへの憧れを抱いていました。誰かを助ける、世の中を良くするために生きている、そんな使命感をもった生き方に憧れていたんです。

この話をすると、人からは単純な性格だとよく言われます…。たしかに私はもともと単純で、付け加えれば、人より固定観念がだいぶ少ないんだと思います。世の中や人間には、目に見えているものと見えていないものが常に多面的に同時に存在している(例えば光と闇、感情と理屈、など)、という視点をもっていて、一般的な一側面からの見え方にとらわれない傾向にあります。だからヒーローなんてしょせん漫画の世界の話だ、なんてことを思わず「漫画としてデフォルメはあるけど、実際こういう生き方もあるよね」とシンプルに信じていたり…。今の社会への違和感も、つまるところ、経済性という一側面だけが切り取られがちであることに対する違和感だったりします。

固定観念をあまり持っていないのは、家庭環境が影響していると思います。前回のブログでも書いたとおり、祖母が「苦労は買ってでもしろ」という一般的な言葉に、別の視点があることを教えてくれました。また、仕事をしている両親が、子どもに見せる顔と、仕事で見せる全く別の顔を持っていることも見てきました。さらには、自身が3兄弟の末っ子として育った影響も大きくあります。子供の頃はガキ大将的な感じで怖いもの知らずだったんですが、家に帰ると、年長の兄たちにはケンカでも勉強でも何一つ勝てなくて劣等感を抱えていました。そんな両極のなかで育ったので、「幸せそうに見える人間が、本当は幸せでなかったりする(逆もしかり)」なんてことを子供心に思っていました。そんな劣等感や鬱屈した思いも、ヒーローへの憧れを加速させたと思います。

また、大学で専攻していた量子力学では粒子と波動の二重性を学び、唯物的な世界観が一度、崩壊しました。人間が理解できる領域と、理解が許されない領域の両方が存在し、その両方が色即是空的にこの世界を構成していることを知り、感動したのです。人間の知性の限界と、その限界を自ら看破した人間の感性と好奇心に、体が震えた記憶があります。

これらの背景から、固定観念が少なく、ゆえに漫画の話でさえ真面目に「あるかもな」と考え込んでしまう単純な性格の自分が出来上がっています。

かなり脱線しました。話を戻します。

ヒーローへの憧れを抱いていた私は、当初は宇宙飛行士を目指して大学進学したのですが、途中で挫折し、その後生きる使命を見失った時期がありました。自分が就職活動をしてビジネスパーソンになる姿を思い描くことはどうしてもできなかったんです。

そんなとき、友人が学生起業しているのを見聞きして、面白そうだなと思ったのがひとつのきっかけになりました。昔から、漫画に加えエジソンや野口英世などの伝記が好きだったこともあり、技術の開発や新たな発見によって世の中を変えることにも憧れがありました。今でいう、ソーシャルアントレプレナーのような生き方があるのでは、と思ったんです。

そこで手始めに収益力のある企業をつくるやり方を学ぶことにしました。優しくなるために、まず強くなろう、と考えたんです。

最初はデジタルマーケの領域で起業。紆余曲折を経てですが、それなりにうまくいきました。でも、あくまで「それなり」でした。圧倒的に突き抜けるには、圧倒的な能力と、人生をかける情熱が必要で、自分も人生をかけないと勝てないし、面白くない。起業して1年半〜2年くらいでそう気づきました。また同時に、自分はお金儲けに人生をかける情熱をもてない、これは自分の使命じゃないなと、改めて実感することもできました。そこで、「世の中をよくする」という自分の使命を果たすことを念頭におきながら、そこからお金を儲けることで活動を拡大再生産していく、という順番に転換することにしました。

お金儲けを最優先にすることを捨てて、儲からないとされるサステナビリティの領域に方向転換するときに不安はなかったのか、と聞かれることがよくありますが、このとき私に不安はなかったんです。そもそも、優しくなるためにまずは強くなろうという考えでやっていたし、自分はお金儲けのために生きたいわけではない。あくまでビジネスや経済は、世の中をよくするためにあり、自分自身も世の中をよくするために生きたい。原理原則に則り、あるべき姿に立ち帰ることができるという感覚でした。

そこから、環境・農業・福祉など、サステナビリティ領域でのビジネスに携わりました。周りには、同じような情熱をもった優秀な人も多くいました。ただ、当時は今よりもこの領域のビジネスに対する世間からの理解や共感も薄く、「まともな大人」の方々からはよく説教をいただきました。「そんな夢みたいなことでご飯は食べられないよ」「そんな儲からないことをしてどうするんだ」「NPOに行けばいいじゃないか」などなど…。ちょっと頭のおかしい変人扱いも随分されてきました。そんななか、本当に世の中のためになる良いビジネスをしようとしながらも、もがき苦しみ挫折する起業家たちをたくさん見てきました。

一方で、我々のビジネスに対し、説教はせずに「いいですね」と言ってくれる方も一定数いました。でも、「いいね」と口では言うけれど、購入、入社、投資など具体的なアクションを起こすことはない。みんな、世の中が良くなればいい、と心の底では思っているのに、色々なものが邪魔をして、何もしない、できない。そんなことも感じてきました。ちなみに、この時に「応援と支援はちがう」ということを体で理解しました。

これらの経験から、ぼんやりと持っていた世の中への違和感が「このままではダメだ!」という確信に変わりました。人類はこのままどこへ向かっていくんだろう、と。そこで、良い企業や人をきちんと照らすことこそが自分の使命だと考えるようになったんです。お金儲けが上手な「強い」人だけが持て囃されるのではなく、社会や人にとって本当に良いことをしている「優しい」人がしっかりと照らされる。そんな世の中になれば、社会全体として、「優しい」動きがもっと増えて、オセロのように世の中をひっくり返せるんじゃないかと。大学で学んだデータサイエンスの知識を持っていたこともあり、データを使って、良い企業を照らしたいと考え、今のサステナブル・ラボのビジネスモデルに至っています。

データの力で、今の資本主義、本当に良い企業や人が照らされない社会にドロップキックし、呪いから解き放つ。これこそが、ヒーローに憧れ、バカバカしくもシンプルに生きる、私の使命です。

第二回もお付き合いいただきありがとうございました!
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